ドレンチェリーを残さないでep32

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      未来の発した警鐘は、SNSのダイレクトメッセージを通じて盛実に届いた。

      「……博士、あのソルフラワーで猗鈴さんと姫芝がが戦った天使が未来さんの大切な誰かを殺しに動くと言ってどこかに消えた。でいいの?」

      「そう、アプ……未来さんの家族はもう小林さんしかいない。だから、多分小林さんを襲うだろうって」

      それを聞いて、天青は少し悩んだ。

      これを理由に公竜と未来を会わせることはできる。未来と敵対する可能性を加味しても、襲われる危険があることから武装して行ける。

      でも、もしその襲うと言っている部下も同時に敵対した場合、幹部一人と準幹部クラス一人、トロピアモンだけでは分が悪い。

      かといって、と天青は自分の身体の調子を確かめる。ここでマスティモンを使えば吸血鬼王やリヴァイアモンに使うまでのインターバルが生じる。リヴァイアモンはメモリが人間界に来る前に組織を止めればいいとして、吸血鬼王は既にいる脅威で不死身のデジモン。使えなくなれば使えるコンディションになるまで見過ごすしかなくなる。

      「猗鈴さんと姫芝を呼んでくる」

      「小林さんは?」

      天青にそう盛実は聞いた。

      「ひとまず、現在地だけ確認して伏せておく」

      「……わー、かった。一応未来さんも脅威として捉えるってことね」

      思わぬ盛実の言葉に、天青は視線を逸らして頷いた。

      普段ならば盛実はここまで察しが良くはない。

      それは、それだけ未来のことを考えていたということ。今どうしているか、どうしたら最善か、ずっと考えていた。

      「ザミエールモンメモリの調整も終わってるし、例のメモリも調整段階までは鳥羽さんの資料のおかげでこじつけられてる」

      血走らせた目の下に、いつも以上のくまを作っている盛実の言葉にも、天青はうんと一つ頷いて終わらせた。

      だから、小林さんも呼ぶべきだと言いたいのはわかっていたが無視した。

      猗鈴と杉菜が呼び出された頃には、若干気まずい空気が流れていた。

      「……というわけなんだけど、どう思う」

      二人から猗鈴と杉菜へ問いかけられた時、まず答えたのは杉菜だった。

      「とりあえず、小林さんに見つからない場所に移動してもらった方がいいんじゃないですかね。説明は必要でしょうが、小林さんが狙われているのにそれを言わないわけにもいかないでしょうし」

      「……その前に、その男は本当に小林さんを殺すつもりなんですか?」

      疑問の声を上げたのは猗鈴だった。

      「その男は、素性を明かさなかった幹部のミラーカが実は双子で、兄は公安にいて名前は小林公竜、そして戦える人間である。どこまで知っているんですか?」

      猗鈴と杉菜がソルフラワーで天崎と戦った時、天崎は『声』でミラーカを判別していた。

      顔や名前を知っていればあんな方法は取らなかっただろうから、声しか知らなかったのだろうと猗鈴は思っていた。

      「公竜さんは、吸血鬼王の手から逃れる為、時々ここに来るぐらいで基本的には警察にもいない筈。名前と公安であることを知っていれば事件を起こして誘き出せる、ソルフラワーの時もそうだったから。でも、それだって私達も来ることはわかる筈……」

      「突発的な行動だったみたいだから、そこまで考えてないんじゃないですかね」

      「……でも、一応未来さんに確認とってみる!」

      盛実がそう言ってタブレットを操作し始めると、不意に杉菜があっと声を上げる。

      「未来さんの大切な……ヒーローショーのヒーローってことはありませんか? 変身前は特定の個人ですし、どこに来るかもわかっている」

      「……それも、未来さんの趣味を知ってる前提じゃないとおかしい。あの場に大切な人がいただろうと推測できても、それが誰かは……」

      猗鈴は杉菜の意見に懐疑的だった。

      「あの時壊れたのはほぼガラスだから、復旧はすぐの筈……」

      「え、本当にヒーローショー狙いだとしたらやばいよ! 今日だよ!?」

      「なっ、いつも二週に一度の日曜なのに、どうして!?」

      今日土曜ですよと杉菜が言う。

      「ゾネ・リヒターは何度でも昇る太陽、五年前のテロ被害からの陽都復興の象徴を目指したヒーローだから、当然今回のテロからの復旧に際してまたヒーローショーをって話になってるんだよ!」

      公式アカウントがSNSに投稿してる! と盛実は猗鈴達にその投稿を見せた。

      「急がないと……!」

      杉菜が立ち上がったが、天青がそれを止めた。

      「待って姫芝、行くなら猗鈴さん」

      「え?」

      「博士、そうじゃないとトロピアモンとザッソーモンのコンボは出力が落ちる、そうだったよね」

      「……でも、養護施設での戦いの時は」

      少なくともそれでも夏音は追い払えた。

      「それは、マスターの言う通り。あの時、子供の猗鈴さんはそれを感じ取れる余裕が夏音さんにないと見るや、言葉で戦わずに追い払ってたから、姫芝にはわからなかったかもだけど」

      「……大丈夫、それに私は前に盛実さんと取材の体で行ってるから、中止させられるなら中止するし、始まってたとしても動きやすい」

      猗鈴は少し釈然としない表情でそう言った。

      「私は正直ヒーローショー狙いの線は薄いと思う。だから、行くには行くけど、本当に未来さんの大切な人が公竜さん以外にいないか確認して欲しい」

      そう言いながら杉菜の方を見て、ヘルメットを取って出ていった。

       

       

      「……ある筋から、『未来さんの大切な人』を殺そうとしてる男がいるって情報を掴みました」

      杉菜は喫茶ユーノーに呼び出した公竜にそう打ち明けた。

      「そのある筋とは?」

      「組織所縁とだけしか言えないです。一応、小林さんは警察なので」

      未来とのホットラインの存在は結局明かさない、天青と盛実の間の立場をとることにした。

      「……まぁ、仕方ないですね。動機は?」

      「気を悪くしないで欲しいのですが、未来さんをより怪物らしくさせるため、だそうです」

      パキッと音を立てて、公竜の持っていたカップの取っ手が割れた。

      「……すみません」

      「いえ、弁償してもらえれば大丈夫です」

      「……幹部としての実務を任されていた部下、ミラーカの信奉者が未来さんに暴力を強要(もとめ)ています」

      「鳥羽の資料にあった、旧組織のメンバー狩りをしていたことを知っている部下、ということですか」

      「そうです。動かず隠れていた未来さんをヤクザを唆して炙り出したホーリーエンジェモンメモリの男です」

      「……襲う先は?」

      「わかりません。家族は公竜さんと吸血鬼王しかいないですし、プライベートで交友があったわけでもなさそうですからね。ヒーローショーの関係者や見に来る観客に大切な人がいると考えている可能性を考え、猗鈴はソルフラワーに」

      「……なるほど。部下の女という線はどうでしょう。仕事の関係だったならば、自分よりも親密に見えた別の仕事の関係者、ということはあり得るかと」

      「養護施設にいた女のことですか?」

      「えぇ、彼女は妹の素性を知ってる様な発言がありました。夏音の攻撃を受けた後、蝶野の居場所を譫言の様に呟いた後は、意識が戻ってませんが……」

      「その蝶野は?」

      「やつは死にました。監禁されたまま、頭部外傷でできた血栓による脳梗塞で死んでいました」

      「でも、だとすれば病院に……」

      「現れる可能性はありますね。デジメモリの治療を扱える病院は警察病院かアルケニモンのいた病院かの二択、警察に吸血鬼王が入り込んだことは把握してておかしくないとなれば……」

      「待って。それは、その部下の女が養護施設にいて捕えられたことまで知らないとわからないはず」

      「……確かにそうですが、養護施設にいたことまでわかっていれば、ニュースなどを通じて養護施設で何かあったことは察しているかもしれません。他に当てがない以上は行ってみるしかないでしょう」

      立ち上がる公竜に、盛実が通せんぼうする様に立ち塞がった。

      「待って、未来さんの大切な人には公竜さんも入っている筈だから、できれば、できればやっぱ行かないで欲しい」

      「……妹は、きっと僕を妬み恨むでしょう」

      天青と未来の監禁されていた小屋に行った時、天青は常に未来の気持ちを読み解こうと考えていた。それを見て、公竜もふと考える様になったのだ、自分がどう思っているかではなくどう思われているかを。

      未来に比べて公竜の監視は緩かった。双子に生まれて、人として生きてこれた自分は化け物として監禁されていた妹から見て恵まれているのではないかと思った。

      そして何より、公竜には恵理座がいた。恵理座が未来の心を開いたことは公竜からしてみれば驚くことではなく、先に恵理座に出会えたという一点を取っても妬まれるに足ると感じる。

      しかも、恵理座は公竜を守って死んだ。致命傷を負った状態で吸血鬼王に襲い掛からんとする公竜を諌めて、止めて、治療が間に合わず死んだ。

      そのことを知らないだろうとは思っても、知ればきっと恨む筈だ。

      「そんっ……」

      そんなこと未来は言わないと言おうとして、盛実は天青の視線に気づいて口を閉じた。

      そして、その代わりに濃いストップウォッチの様なものがついた緑色のメモリと紙を差し出した。

      「……前に言ってた、ザミエールモンメモ、調整外付け機構付き……で、えと、とりあえず、勝手に未来さんの気持ち決めつけるのはよくないと、思う!」

      盛実はそう言うと、何か言われる前に瞬く間に地下に撤退した。

      メモリを見て、紙を見て、公竜はそれをジャケットのポケットにしまう。

      「博士の言うことは一理ある。閉じ込めた張本人のはずの軽井命の部屋も綺麗だったし、未来さんのものらしき部屋には趣味のフィギュアも並んでいた。小林さんが思うよりも未来さんの生活は苦に満ちたものではなく、小林さんを恨む理由もないのかもしれない」

      「そうだったなら、いいですが……」

      天青の言葉が公竜に届いてないことは見ればわかった。当事者にしかわからない事は必ずある。公竜が天青の言葉を信じられない理由もそう、自分は辛かったから、苦労したから、実際に見ないと信じられない。

      「国見さん達はどうされますか?」

      「どっちも外れた場合に備えてここに残る。特に姫芝は、猗鈴さんの方が本命だった時に安全なとこにいないとね」

      「そうですか、では」

      ドアベルをちりちりと鳴らしながら、扉がしまった。

       

       

       

       

       

      ヒーローショーはつつがなく進行していた。ヤクザの時の反省を活かしてか、警備も多く、不自然に出入り口付近に止まる客も見当たらない。

      「……やっぱり、ここじゃない」

      猗鈴はそう呟いて考える。

      未来の交友関係は公安に監禁される前と、組織に入った後の二択の筈。

      あの男は組織内でのミラーカしか知らなかった、考慮すべきは後者の筈、だけど引っかかるのは、目的との乖離。

      目的が未来を化け物にする事だとすれば、大切な人の存在がそれを食い止めていると先に知る必要がある。

      本人が語ったのでなければ、知っている誰かが伝えた事になる。

      「……まさか、姉さんが?」

      そう呟くと、ふと猗鈴に対して影がかかった。

      身長190近い猗鈴よりさらに高い、スーツの大男がそこに立っていた。

      「美園猗鈴様ですね?」

      猗鈴がその股間を蹴り上げようとすると、男はスッと半身になって避けた。

      「少し話したいだけです。組織への勧誘。という話ですが」

      「そんなの乗ると思う?」

      「夏音様の真実を知りたくありませんか?」

      その言葉に、猗鈴は思わず反応した。

      「組織の本懐は、ご存じの様に嫉妬の魔王、かの方の人間界への降臨。人間社会への攻撃は人間社会で金銭を得るノウハウのなさによるもの。最早必要ありませんし、貴女が幹部となり変えればいい」

      すっとその男は手を差し出した。

      「貴女を組織は新幹部として迎える準備があります。最早組織は、貴女達姉妹のものです」

       

       

      病院に公竜が着くも、そこにも天使の姿はなかった。

      「……ここでもない、もしくはまだ来ていない。か」

      公竜はそう呟き、同じ熾天使派の公安を見つけて現状を尋ねる事にした。

      「何か異常は?」

      「女に異常はありません、意識も戻らないまま。果たしてこのままで今後戻るかどうかも怪しいと」

      「……彼女の命が狙われている可能性がある、くれぐれも注意してくれ。僕は確認したら病院内を一回りしてくる」

      病室をちらりと覗く。確かに異常はなさそうに見える。

      狙う為に病院に潜んでいる可能性もあるが、誰かに教えられなければそもそもこの病院を突き止めるのは難しい。

      考えながら公竜が見回りをしていると、看護師が一人慌てた様子で廊下をキョロキョロしていた。

      「どうかされたんですか?」

      「あ、小林さん……」

      そう言うなり、看護師は声を顰めた。

      「養護施設にいた、子供になっていた患者さん達……あの中の女の子が一人逃げちゃいました」

      急激に大人に戻って、記憶が混濁してパニックになったみたいでと看護師は言った。

      「名前は?」

      「えと……大和美琴(ヤマト ミコト)さんです」

      「ミコト……」

      公竜の脳内でふと何かが繋がった気がした。

      「その時に、誰か……未来がどうとか話していませんでしたか?」

      いえ、何もと看護師は答えたが、そのあとふと思い出した様に話し出した。

      「そういえば……子供と離れたお父さんらしき人が、軽井未来ちゃんという女の子を探している様でしたが……」

      「その男はどこに?」

      「え、私が見た時は屋上の方に探しに行くと……」

      公竜はそれを聞いてありがとうと言うと、エレベーターに向けて走り出した。

      屋上に着いた公竜は、そこに一組の男女がいるのを見つけると、その顔を見てぐっと奥歯を噛み締め、喫茶ユーノーで待機する盛実へと電話をかけた。

      『もしもし』

      「未来はどこ!」

      通話が繋がるとほぼ同時、病院着の三十代弱に見える女が男に向かってそう叫んだ。

      「電話に出ないなんて今までになかった……私が子供になっている間に未来を移送した、そうでしょ?」

      公竜はその姿に動揺して、通話先の盛実に続きを話すことを忘れていた。

      そんな女は、公竜の知ってる範囲では公安の職員であることしか知らない。レポートも淡々としたもので、最後だって任務に出て帰らなかった訳だから、情なんてないと思っていた。

      でも、今、公竜の見ている彼女は違う。

      「作り置きだってそんなにしてなかったし、カップ麺ぐらいしかまだ小さいあの子に作れるものはないけど……無事、なのよね?」

      ひもじい思いしてないのよね、ましてや、そのまま飢えたりなんてと、何も返さない男に女は続ける。

      無言故に、無限に嫌な想像が頭をよぎっている様だった。

      天青の言葉が頭を過ぎる、未来はあの家に帰るつもりだった。

      なぜ? 悪い記憶でなかったから。

      だとしたら、どうして?

      その理由がわからなくて、受け入れられなかった。でも、その理由を知って公竜は安堵していた。

      「軽井命!」

      妹には自分と違ってもう一人母がいた。

      その事実に安堵し、未来との和解の準備を進めていた恵理座は間違ってなかったと喜ぶ。

      「……誰?」

      「小林公竜、僕は……未来の兄です」

      その言葉に、男が、天崎がぎろりと目を剥いた。

      「ミラーカ様を呼んだ時にも邪魔してきたあなたが……ねぇ」

      ソルフラワーでヤクザ達を動かした時、天崎は公竜を見ていた。

      「育ての親と実の兄、両方殺してソルフラワーにでも吊るせば……化け物だと思い出してくださいますかねぇ」

      『ホーリーエンジェモン 』

      「僕も妹も、化け物じゃない、人間だ」

      『ミミックモン』

       

       

      「本庄さん、結構体辛そうね」

      羽織っている白衣が半分焼けこげ、疲れ切った本庄善輝の前に現れた夏音は、そう言って微笑んだ。

      「……あぁ、ミラーカを怒らせたみたいでね。何日かずっと戦ってたんだよ」

      全く参ったなと善輝は微笑んだ。そこに怒りは見えない、あるのは妹に嫌われた兄の様な、そんな悲しげな笑みだった。

      「ねぇ本庄さん、子供になってた猗鈴が元に戻ったわ」

      「……そう、それはよかったね。それにしてもどうして僕に?」

      「いつも家族家族と私達にいうのに、雑談に付き合ってもくれないの?」

      「……そういうことなら喜んで、どこかでご飯でも食べながら……」

      「まぁそれは冗談だけど」

      そう言って、夏音はくすと笑った。

      「『大人を子供にできる能力』、殺せないけど隠したい相手を隠すにはうってつけよね」

      記憶も隠せる、万が一手から離れても安心安全だし、そう言いながら夏音は顔汚れてると善輝の顔をハンカチで拭いた。

      「秦野から聞いたんだけど、吸血鬼王は日光の元でも動くしミラーカほどあからさまに吸血鬼らしい性質は持ってないんだとか。でも、ミラーカはそうじゃない。人間界の設定を反映する吸血鬼にもし遺骨を与えたら……蘇生することだってあり得るかもしれないもの」

      「……なんの話をしているのかな?」

      「気がかりなんじゃないかなと思ったのよ。未来に会わせてはいけない女が復活してるんじゃないか、とかね」

      「知ってたのか」

      本庄は険しい顔をした。

      「全然。かまかけてよかった」

      夏音はにこっと微笑んだ。

      「……参考までに聞いていいかな? なんでわかったか」

      「私は未来から生い立ちを聞いたんだけど、軽井命が死んだとあなたが伝えた時期と、黒木世莉達と公安が敵対した時期にズレがあった。それで、あなたが口封じしたと思った」

      「それで、蝶野に口封じさせたか確認を?」

      「そう。そして、そうとわかられていつもの様にヘラヘラしてないことで本当の所属も察しがついた」

      夏音はそう流し目で善輝を見た。

      『レガレスクモン』

      夏音の言葉に本庄はメモリを手に取ったが、夏音は何も持ってない両手を上げた。

      「リヴァイアモン復活までの目的は一致してる。教えたのは善意。でも、安全の為に所属ははっきりさせておきたい、私の気持ちもわかるでしょ?」

      「……ならいいけどね」

      去り行く背中を見ながら、軽井命の処理は間に合わないだろうなと夏音は思った。

      本庄善輝にはそろそろ退場してもらう。

      消耗してない本庄はネオヴァンデモンでも倒しきれないが、
      吸血鬼王が本庄さんを始末するお膳立ては済んだ。

      夏音は不意にスマホの画面を見る。猗鈴の大学入学式に一緒に撮った写真、猗鈴はあまり写真を撮らせなかったから、それが一番最新の夏音と猗鈴のツーショットだった。

      その日のことを、夏音は朝食からなにから思い出せた。

      「……天崎くんにはうまく軽井命を殺してもらわないとね。なるべく未来が悲惨な目に遭うように、残酷に」

      そして、猗鈴に会いたいなぁと、一人ぼやいた。

       

       

       

      あとがき

      あけましておめでとうございます。よく考えたら先週投稿だったような気がしていますが、更新させていただきました。

      ではでは、そういうわけでまた次回……

       

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